AIO対策とは
AIOは「AI Optimization(AI最適化)」の略です。生成AIが答えをつくるときに、自社の情報が読まれ、正しく紹介されるように整えることを指します。AEO、LLMO、GEOと呼ばれることもあり、取り組む中身の多くは同じです。
なお、AIOという略語は、Google検索の機能「AI Overviews(AIによる概要)」を指すこともあります。検索結果の一番上にAIがまとめた答えを表示する機能で、日本では2024年8月に始まりました。2025年9月には、長い質問に対話で答える「AIモード」も日本語で使えるようになっています。AI最適化は、このAIによる概要に加えて、ChatGPTやGeminiなど、人がAIに質問して答えを受け取る場面の全体を相手にします。
これまでのSEOは、検索結果の一覧で上位に表示されることを目指してきました。AIO対策が扱うのは、AIの答えの文章の中身です。名前が挙がるか、そして何の会社として説明されるかです。
AlphaDrive REGIONは、地域で取り組むAIOを「地域AIO」と定義しています。地域AIOは、地域における収益進化AIの手法の一つです。AIの答えを地域の新しい顧客との接点ととらえ、何の会社・何の店として名前が挙がるべきかを定め、人手では続けられなかった発信と確認をAIで回し続けて、新しい売上をつくります。
顧客の探し方が、AIへ移り始めている
顧客の探し方が、検索からAIへ移り始めています。サイバーエージェントの調査(2026年2月、全国の10〜60代9,278人)では、検索するときに生成AIを使う人は37.0%でした。2025年5月の21.3%から、9か月で15.7ポイント増えています。
AIに聞く人は、検索結果を何件も開いて見比べません。AIは質問に合う候補を数件挙げ、理由を添えて答えます。その数件に入っていなければ、比べられる前に候補から外れます。取引先を探す購買担当者も、家族で出かける店を探す人も、同じです。
地域の企業にこそ、AIOが向いている理由
地域の企業にAIOが向いているのは、AIに聞く質問に、場所と条件が入るからです。
検索窓には「金属加工」と単語を打つ人も、AIには「アルミの試作部品を、10個だけ2週間で加工できる東海地方の会社は?」と聞きます。場所と条件が細かくなるほど、全国に名前の知られた大手より、その地域で、その条件に確かに応えられる会社のほうが、答えに合います。
広告費をかけて露出を買う競争や、検索順位を何年もかけて押し上げる競争では、地域の企業は大手に及びにくいものでした。AIの答えでは、競う物差しが、知名度や予算から、条件に合うことを確かめられるかどうかへ移ります。地域の企業にとって、AIOは、大手と違う土俵で選ばれる新しい入口です。
ただし、この余地があるのは、条件に応えられることが、外に出ている情報から確かめられる場合に限ります。技術や実績があっても、それが文字で外に出ていなければ、AIにとっては存在しないのと同じです。
AIが読んでいる情報
AIが主に読むのは、Webに公開されている情報です。自社のサイトだけではありません。地図の店舗情報や口コミ、業界団体や商工会議所の会員紹介、自治体の企業紹介、地元の新聞の記事、取引先の発表も読みます。
地域の企業が見落としやすいのは、次の3つです。
1つめは、強みが社内にしかないことです。加工できる素材や精度、対応できる納期、得意な業界が、営業担当の頭の中や、紙やPDFのカタログにしかない会社は少なくありません。Googleも、重要な内容はテキストで示すよう勧めています。
2つめは、強みが形容詞で書かれていることです。「高い技術力」「確かな品質」だけでは、AIは条件に合うかを確かめられません。数字、事例、対応できる範囲で書くことが要ります。
3つめは、地域のつながりを使えていないことです。商工会議所や自治体の紹介ページ、地元紙の取材記事は、地域の企業が比較的載りやすく、全国の大手には持ちにくい、地域に根ざした第三者の情報です。こうした情報が自社のサイトと同じことを言っているほど、AIは自社を答えの材料にしやすくなります。
自社でできる3つの始め方
AIO対策は、次の3つから自社で始められます。
1つめに、顧客がAIに聞きそうな質問を書き出します。誰が、どんな困りごとで、どこで探すかを考え、「〇〇市で」「東海地方の」のような場所の条件を入れて、10本ほど並べます。
2つめに、その質問をAIに聞いてみます。Google検索のAIによる概要、ChatGPT、Geminiに同じ質問をして、自社の名前が挙がるか、挙がったらどう説明されるかを記録します。最初は一度も挙がらなくて構いません。それが出発点の記録になります。
3つめに、何の会社として名前が挙がりたいかを決め、一文にします。例えば、「〇〇製作所は、愛知県〇〇市にある、医療機器向けの小ロット精密切削を専門にする町工場です」のような一文です。この一文と、それを確かめられる情報を、自社のサイト、地図の情報、地域の紹介ページのどこでも同じ言い方で書きます。
何の会社として名前が挙がりたいかを決める
AIO対策でいちばん差がつくのは、何の会社として名前が挙がりたいかを決めるところです。それは、どの顧客から、どんな問い合わせが欲しいかを決めることと同じだからです。技術の作業ではなく、事業の判断です。
AlphaDrive REGIONは、AIの答えの中で挙がる候補の一覧をカテゴリと呼び、このカテゴリを先に決めて進めるAIOを「カテゴリファーストAIO」と呼んでいます。
決めるときに気をつけたいのは、勝てそうだからといって、誰もAIに聞かない狭い言葉を選ばないことです。聞かれない言葉では、答えに入る機会そのものがありません。自社の強さに見合う、できるだけ大きな言葉を選び、その中で地域を手がかりに一番を狙います。どの言葉を選ぶかは、自社の強さの見極めと一緒に考える必要があります。
一度で終わらず、続けるもの
AIO対策は、一度やれば終わるものではありません。AIの答えは、モデルの更新や競合の発信、質問の言い方で変わります。先月は挙がっていた名前が、今月は挙がらないこともあります。
そのため、AIO対策は、情報を出し、AIの答えを確かめ、直す循環として続けます。成果は、AIに名前が出た回数ではなく、問い合わせの数と中身で見ます。問い合わせフォームの「何で知りましたか」に、「AI(ChatGPTなど)」の選択肢を足しておくと、AIから来た顧客を数えられます。
この循環は、社内で回せることが理想です。自社の顧客と強みをいちばんよく知っているのは、自社の人だからです。なお、「必ずAIの答えに載せます」という約束は、誰にもできません。AI向けの特別な仕掛けより先に、事実を正しく、文字で、外に出すことです。Googleも、AIの機能に表示されるために特別な最適化は要らず、SEOの基本がそのまま当てはまるとしています。
AlphaDrive REGIONの「地域AX Category-First AIO」は、地域AIOに取り組む地域の企業・店舗・自治体のための支援です。事業開発の視点から、何の会社・何の店として名前が挙がるべきかを先に定め、発信と確認をAIで回し続ける仕組みを、社内につくります。
